皆さんこんにちは!
 突然ですが、いきなりスパロボの世界に来ちゃいました!
 知らない人に追いかけられるわ、ロボットに乗る事になるわ、パーソナルトルーパーに攻撃されるわ、更に突然光が現れたと思ったら、いきなり景色が宇宙になって、パーソナルトルーパーとは違う機体に囲まれてたりとか、もう大変だったね〜。
 まぁ、そいつらは張り倒したけどね。

 ……はぁ…。とりあえず明るく言ってみたけど、余計虚しくなってきたよ…。



最初の共同戦線
〜そしてはじめての無重力☆〜




 …という訳で、今現在あたしの周辺には、たくさんの残骸が浮遊していた。
 ヴァイサーガも先刻の戦闘で多少のダメージをくらったが、チェックしてみると大した事じゃないみたいだ。

「しっかし、何だったんだろ。見た感じモビルスーツとは違うみたいだったし……」

 うーん、と頭を捻っていると、レーダーにいくつかの反応が浮かんできた。
 少しして、その反応と思われる機体が3機、肉眼で確認できるようになる。やけに移動速度が速い。
 あ、そうだ。確かヴァイサーガには通信傍受の機能があったよね。それ使おうっと。
 あたしはマニュアルを引っ張り出して通信傍受機能をONにする。すると、すぐにあの機体のパイロット達らしき音声がコクピット内に流れてきた。

「ちきしょう! しつこい奴らだぜ」

 おや、何だか焦ってるみたいだけど何かあったのかな?

「どうせ追いかけられるなら、綺麗な女の人に追いかけられたいね」

 あ、結構素敵な声の人。綺麗なって…気持ちはすごく分かるけど、ンな事言ってる場合じゃないよーな雰囲気だよ……?

「まったくだぜ。何が悲しくてお坊ちゃん方に追っかけられなきゃならないんだか」

 呆れ気味…いや疲れ気味かな? 溜め息までついちゃってるよ、この人。

「とにかく、早いとこ戻らないと、アイダボが」
「ん? ちょっと待った! 近くに生きている機体がある」

 ようやくあたしの存在に気づいたらしい3機がヴァイサーガの近くに来て、その内、頭部がやけに平たい機体が通信を入れてきた。

「ちょっとあんた。連邦軍の人? だったら助けてほしいんだけど」
「助けてほしいって……なんかあったの?」

 あたしの声に喜々とした反応を見せたのは、頭部が饅頭みたいな機体に乗る人、それと背中に大砲のついた機体の人だった。

「なんだ、女か?」
「ぜひともお顔を拝見したいですなぁ」
「え!? いやいやいや! あたしの顔なんぞ見てもつまんないよっ! ……って、ンな事言ってる場合じゃないでしょが!」
「そりゃごもっとも。ここはアイツらを倒した後のお楽しみって事にしましょう」

 いや、だからあたしの顔見てもしょうがないってーの……。
 内心そうツッコミを入れると、平たい機体の人は、「それでだ」と話を戻し、

「俺達ちょっと追われててね。あんた、ギガノスの連中じゃないみたいだし、逃げる手助けをしてもらいたいんだ」
「逃げる…手助け?」
「…見た所、そっちも損傷しているみたいだし…無理は言えないけどさ」

 と、やや遠慮気味と言う彼に、饅頭の人がちょっとキレ気味に怒鳴った。

「ライト! それは俺達だって同じだ。早いとこ戻んねえと、リンダ達が…!」
「おい! 奴ら、追いついてきたぞ!」

 大砲の人の言葉が合図であるかの様に、直後、4機の機体が現れた。
 内、1機は青だか紫色だかで外見も少し異なっていた。多分隊長機という所だろう。

「出たなキザ野郎!」
「お坊ちゃん達も一緒だぜ。男の尻にくっついて、何が楽しいのかね」

 饅頭みたいな機体の人が忌々しげに舌打ちをし、大砲持ちの機体の人があるイミもっともな事を呟く。

『追いついたか。…貴様ら、今度こそ逃がさん!』

 「キザ野郎」と称されたダンディな声の人の台詞に、部下(らしき)3人が続く。

『大尉殿、見慣れない機体があります。もしや、これが新型では!?』
『まさか、D兵器は3機のはずだ』
『何だっていいさ。仲間なら、まとめて叩きのめすだけだ』

という彼らの言葉に、「好き勝手なこと、言いやがって!」と憤慨する饅頭の人。

『…4対4…といきたい所だが、油断はならん。念のため、後続に連絡を』
『大尉! 我々だけで十分です』

 ダンディさんの台詞に納得がいかないのか、部下の一人が意見を言う。けれどダンディさんは、

『そのような慢心が、今までの失態を招いていたことを忘れるな』

 と、諭す様に返す。どうやら彼は、三流悪役にありがちな自信過剰じゃないらしい。更に彼は「それに」と話を続ける。

『この宙域に散らばる物が何だか判らんのか?』
『え…? こ、これは…友軍機の残骸?』
『もしや連絡の途絶えた第4偵察部隊か!?』

 えっまぢですかッ!? っていう事は、先刻の人達はギガノスって奴らだった訳?

『第4偵察部隊は識別コード不明の機体を追っていた。…という事は、恐らくあの新型にやられたという事だろう』

 識別コード不明って…やっぱあたしの事かっ!?

『まさか…!? いくら偵察用装備とはいえ、たった1機に!?』
『でなければ説明がつかん。…話は後だ、いくぞ』

 と、ダンディさん達は武器を構え、戦闘態勢、といった状態になった。
 えっ、ていうかあたしも標的認定? あたし関係……あるか。偵察部隊全滅させちゃったし。

「奴ら来るぞ」
「…おたくにその気はなくても、あちらさんは敵と認識したみたいだぜ?」
「…みたいだね。こんなモテ方、嬉しくないけどさ」
「まぁ、相手があのお坊ちゃん達じゃな」
「おおっしゃあ! やってやろうじゃないの!」

 ぼやくあたしとそれに相鎚をうつ大砲の人を余所に、饅頭の人が、やけに気合を入れていた。かと思うと、彼は何かを思い出した様な声を上げ、

「そうだ…あんた名前は?」
「名前?」
「そっ。即席とは言え、一緒に戦うんだ。名前がなくちゃ呼びにくいだろ?」
「それもそうだね。えと…あたしは でいいよ」
「よし、『』だな。俺はケーン=ワカバ。大砲がついてるヤツがタップで、あっちの平べったいのがライトだ。
それからあのキザ野郎は、『ギガノスの蒼き鷹』なんてふざけた異名をとるほどだ。手強いから、気ぃつけろよ?」
「えと、ケーン、タップ、ライト……ね。OK。で、ギガノスの……蒼き鷹?」

 ケーンの忠告に、あたしは首を傾げながら、

「…なんだかどこぞの彗星みたいな響きだね。ていうかあれって蒼っていうより紫色じゃん?
「ツッコミがキツいことで」

 だってホントにそう思うもん。

「おい、無駄話は後だ。早めにケリを着けないとやばいぞ。…新手が近付いてきてる」
「脅かすなよ、レーダーには何にも映ってないぞ」
「俺の所もだ」

 二人の言う通り、ヴァイサーガにも反応はなかった。けれど、ハッキリ断言するライトにあたしは疑問を抱いた。
 ひょっとして、先刻ダンディさん…もとい、蒼き鷹がいっていた『後続』ってヤツ?でも、なんで時間まで判るんだろ?

「ねえ、ライト。その自信の根拠を聞いてもOK?」

 すると彼は自慢気な声を上げて、

「ふふん、俺の乗ってるD―3は、他の2機とはおつむのできが違うのよ。なんてったって、電子戦専用機だからな」
「電子戦? …って、情報操作とか…そういうの?」
「簡単に言えばな。ハンパじゃない索敵能力を持っているのさ。言うなれば、戦闘指揮官用ってとこかな」
「ほほ〜う、なるほどねぇ」
「はっ、エラそうに言いやがって」

 ライトの説明に、あたしは感嘆の声を上げ、ケーンは何故か皮肉った様に言う。

頭がどら焼きみたいだな、って思ってたら、指揮官機だったなんてね」
「どら焼きじゃない! レーダードーム、レドームだよ!」
『何をごちゃごちゃと!』

 あたしの発言にライトがツッコんでいると、いい加減あたし達の会話に嫌気がさしたのか、敵の一人が怒声を上げてこっちへ向かってきた。

「来たぞ!」
「増援が来る前に何とか片付けろ!」
「ムチャ言うな!」

 あらら、戦闘開始って訳?
 操作は先刻の戦闘でだいぶ慣れてきたし…問題なし、と。…っていうか、この機体って結構あたしの思う様に動いてくれるから、感覚的には生身で戦うのと変わらないのよね。

 おっと、それじゃあ…そろそろいきますか!

 あたしは、神経を集中させて目の前の敵に向かっていった。










 彼らと協力して、ギガノスって連中に攻撃を仕掛けてるけど、なかなか倒せずにいた。
 そんな中、恐れていた事態が来てしまった!

「やばいぞ、来る!」

 来るって…!
 ライトの台詞に、慌ててヴァイサーガのレーダーを見ると、複数の反応が表れていた。

「ケリ着けるのが遅かったって訳?」

 自分でも分かるくらいに、あたしは苦々しい顔つきになる。やがて、肉眼でも確認できるぐらいに、ギガノス軍の機体が10機程見えた。

「おいおい、俺たちゃ初心者なんだぜ。少しは手加減してよ!」
「性格悪いぞ、ギガノスの野郎!」
「ンな事言ってもしょうがないでしょうが!」

 タップとケーンにツッコミを入れてると、またまたライトが何かに気付いた様で、小さく声を上げた。

「コイツらだけじゃない。反対側から戦艦が来るぞ…! ……いや、こっちは味方だ!」
「って事は地球連邦軍! おぉ、神は我を見捨てず!」

 と、跳ね上がるような声でクリスチャン的な事を口にするタップ。あたしもホッと胸を撫で下ろし、

「地球…連邦…か…」

 ……って、ちょっと待て! 地球連邦って…あの地球連邦!? あたしどっちにしろヤバいじゃん! ヴァイサーガの事どう話せっつうの!?
 思わず頭抱えてパニックになるあたし。だが、そんなのお構いなく、白い戦艦はこの宙域に姿を現したのだった。



→To be continue…


何だかんだでちっとも更新してなかったA連載でした!(反省しろよ)

今回はようやくゲーム本編に入り、携帯サイト時代のものを修正したものですが…当初これを全部まっさらにしてスーパー系からやろうかとも思ってました。でも面倒なのd愛着があったので修正する方向になりました!

なるべくならサラっと書きたいけど、戦闘描写は難しい…。

2007.08.10 柾希