星の海から地球に戻ってきてみりゃ、異世界の人達やら、新しいスーパーロボットのチームやらと、何だかまたメンバーが増えた。
 宇宙でも仲間が増えて、この先一層心強くなる。
 でも、それは色んな人達を戦いに巻き込んでるって事。あんまり良いことじゃないよね……。






「ん〜! 空気が微妙に冷た〜い♪」

 ここはリーンホースJr.の甲板。あたしは辿り着くなり、そう言葉を洩らす。
 あたし達は昨日まで、部隊を3つに分けて行動していた。それほど長い間離れてはなかったけど、久々に合流したら、それぞれの部隊で新メンバーが増えていた。
 まぁとにかく、一気に大所帯になったので、あたし達ロンド=ベル隊はアーガマからリーンホースへお引っ越しする事になったのだった。
 そしてあたしは既に自らの荷物を運び終え、単身ここに来たのだった。
 さてと……。
 あたしは高度が低くなった太陽を見て、

「もうそろそろってトコかな……」
「何が?」
「うっわわわぁっ!?」

 不意に後ろから声をかけられ、あたしは盛大に驚いてしまった。

「な……って、ジュドー! いきなり背後から声かけないでよ! 年寄りだったら、ショック死しかけるよ?」
「ショック死って、そんな大げさな」
「何言ってんの! 実際あたしが小さい時に、近所にしょっちゅう驚いて死にかかってるおじーちゃんがいたし!」
「それその人の心臓がわるかっただけでしょ。さんなら大丈夫だって」

 あたしの力一杯の主張は、サラリと受け流された。何か悔しいぞオイ。

「ところでさ」
「何?」
「先刻言ってた『そろそろ』って何のこと?」
「え"ッ………」

 うわ今自分でも判るぐらい、顔が引きつったし。そんなあたしに構わずに、ジュドーは好奇に満ちた瞳で見つめる。
 ……はぁ……。
 あたしは心の内で小さく息をはく。
 …ま、いっか。減るもんでもないし。

「わかった。教えるからちょっとついてきて」

 言ってあたしは少し高い所まで上って座り、ジュドーに隣に座る様に促す。
 ジュドーは呆気に取られた様にあたしを見たが、すぐに隣に来て座った。

「ね、一体何「ほら、見てごらんよッ」

 ジュドーの言葉を遮り、あたしは正面を指差した。
 あたしの指先に見えるモノ、それは───

「………うわ」

 それは、昼間の輝きを失い、どこまでも鮮やかで、どこまでも紅く、優しく、天地を照らす夕日だった。


 あたしは太陽のこの瞬間がイチバン好きだった。


 全てを等しく紅く染める夕日に、あたしは子供の頃からずっと心を惹かれ、悲しみも癒されていた。


「これが先刻の『そろそろ』の答え。あたしが好きな地球の景色よ」

 あたしは目を細めてそう答えた。

「………」
「……ジュドー?」

 無言の彼を疑問に思い、顔を覗き込んでみる。

「……っ!? え、あ、いや…うん。綺麗じゃない?」
「…? どしたの。そんな慌てて」
「いやっ…急に顔が近づいたから驚いただけだよ」
「そっか。……さぁて、ンじゃあそろそろ戻りましょか」

 言って艦内に入ろうと思い、立ち上がろうとすると、突然腕を引っ張られた。

「おぉッ!!?」
さん!」
「何……〜〜ッ!!?」

 名を呼ばれ振り向くと、頬にジュドーの唇が軽く触れた。あたしは咄嗟に腕を振りほどき、キスされた頬に手をあてた。

「な…なな何すんの!? い…いきなりキ、キスなんてッ!」

 どもりながら言うあたしに、しかしジュドーはイタズラっ子の笑顔で返してくる。

「夕日のお礼に決まってるでしょ。ま、俺は口でもよかったけど」
「なッ!!?」
「それじゃあね」

 そのまま彼は立ち上がりここを離れた。

「…お礼にキスって…何考えてんのよ……」

 誰もいなくなった甲板で、あたしは顔を真っ赤にしてポツリと呟いたのだった。


―End―


サイト開いて2作目の夢はジュドーでしたが……こーして見るとホントこっ恥ずかしいもんです。ハイ。
ちょこっと表記を変えただけで、話自体は書いた当時のままですが…うん、駄文ですよねホント

タイトルは当時ハマってた「SDガソダムフォース」(今でもメチャ好きですが)のOP曲からとりました。
夕陽を見ると、あの歌詞がホント思い浮かんじゃうくらい大好きだったので。

それでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

2007.06.24 柾希
(2005.11 制作 2006.10.11 修正)